2023.11.3金
「魂の不在」:レイコ旅唄Flamenco37
こちらをクリックするだけで
お聴きいただけます⬇️
https://stand.fm/episodes/654506e503f4765968a84e91
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人が死んだら「この世」でどういうあつかい、になるのだろうか?
その人のことをこの世で知っている人が
だあれもいなくなった時。
それが「ほんとに死ぬ時」
というのは
これまで何度かどこかで聞いた気がする。
それもここに唄われているかもしれない。
では人はこの世に何も残さないのだろうか?
そんなことはないだろう。
その人の本質、その人に内在していた宝。
それはそれを唄われることでこの世に受け継がれていくのだろう。
そのときもうその質は
それを持っていた個人のものでは、とうにない。
この世の宝、になるのだろう。
そしてきっと
その魂はいずれまたこの世に現れる。
でも
イグナシオ・サンチェス・メヒーアスの魂が
転生するには長い時間がかかるだろう。
なぜなら・・・。
美しい描写、真実と感じる描写に
胸打たれました。
フェデリコ・ガルシーア・ロルカ作品
「イグナシオ・サンチェス・メヒーアスへの哀歌『4 魂の不在』」に寄せて。
(2023.11.3 レイコ記)
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「レイコ旅唄フラメンコ」の放送再開です。
この日は上記の詩をスペイン語で読み、日本語にし、そこに感じたことを語りました。
フラメンコと深い関係のある、あるいは「フラメンコそのもの」であろだろう
ガルシーア・ロルカの詩。
今回の「レイコ旅唄フラメンコ」からしばらく
こうした詩や物語を紹介し、そこに感じているものをお伝えします♡。
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Alma ausente(魂の不在)
No te conoce el toro ni la higuera,
ni caballos ni hormigas de tu casa.
No te conoce el niño ni la tarde
porque te has muerto para siempre.
雄牛もイチジクの木もあなたを知らない
馬もあなたの家のアリもあなたを知らない
あなたは永遠に死んでしまったのだから。
No te conoce el lomo de la piedra,
ni el raso negro donde te destrozas.
No te conoce tu recuerdo mudo
porque te has muerto para siempre.
石の背もあなたを知らない
あなたのひきさかれた身を包んでいた黒い布もあなたを知らない
あなたは永遠に死んでしまったのだから。
El otoño vendrá con caracolas,
uva de niebla y montes agrupados,
pero nadie querrá mirar tus ojos
porque te has muerto para siempre.
秋はホラ貝とともにやってくる
霧のぶどうと群生する山々
でも誰もあなたの目を見ようとはするまい
あなたは永遠に死んでしまったのだから。
Porque te has muerto para siempre,
como todos los muertos de la Tierra,
como todos los muertos que se olvidan
en un montón de perros apagados.
なぜなら あなたは永遠に死んでしまったのだから
この世のすべての死者たちのように
命の炎が消えた犬たちが山と積まれたその中に
忘れられたすべての死者たちのように。
No te conoce nadie,No. Pero yo te canto.
Yo canto para luego tu perfil y tu gracia.
La madurez insigne de tu conocimiento.
Tu apetencia de muerte y el gusto de su boca.
La tristeza que tuvo tu valiente alegría.
誰もあなたを知らない
だがわたしは唄うのだ
後々のために
あなたの横顔をあなたの気品ある魅力を
あなたの知識の著しい円熟
死に対するあなたの渇望と 死の口の味
あなたの勇壮な喜びが持っていた哀しみを。
Tardará mucho tiempo en nacer, si es que nace,
un andaluz tan claro, tan rico de aventura.
もしもまた生まれるとしても
長い時間がかかるだろう
こんなにも明晰で こんなにも冒険心に満ちた
アンダルシア男が生まれるには。
もしもまた生まれるとしても
長い時間がかかるだろう
こんなにも明晰で こんなにも冒険心に満ちた
アンダルシア男が生まれるには。
Yo canto
su elegancia con palabras que gimen
y recuerdo una brisa triste
por los olivos.
わたしは唄う
呻きの声で
彼の優雅さを
そしてオリーブの木々に吹き渡る
哀しみの風を思い出すのだ。
※スペイン語詩全文はコチラ⬇️
https://www.cervantesvirtual.com/obra-visor/llanto-por-ignacio-sanchez-mejias-785143/html/e0c85a1b-ec35-497d-b4c9-b11bcc62d25f_2.html#PV_4_
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この唄も唄う レイコシミズ サンギットのカンテフラメンコ独演ライヴ 2023年12月3日(日)は
コチラ⬇️詳細・お申し込み⬇️
https://resast.jp/events/867484
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カンテフラメンコ独演ライヴ “唄声は内側の宝石への通り道 por 18”【巣鴨】
2023年12月3日(日)午後2時〜(2時間程度)
場所:巣鴨駅徒歩3分
音楽スタジオ「レソノ・サウンド」
内容:フラメンコの唄と詩とギターとはなし
カンテ:レイコシミズサンギット
ギター:木南利夫
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